スパイト行動

「スパイト行動」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。 わかりやすく言えば、「私が損をしているのだから、あなたも損をすべきだ」という心理から生まれる行動だ。 スパイトとは英語で「意地悪」の意。意地悪分配行動とも言われている。 例えば、コロナ禍において法律上マスク着用の義務がないのに日本ではマスクの着用率が他国よりも高いと言われている。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除された後も、街ではほとんどの人がマスクを着用している。「日本人の衛生観念・協調性の高さ」と見ることもできるが、社会心理学者の碓井真史氏は「これもスパイト行動の一つの側面である」と指摘する。 「『俺がマスクをして苦しい思いをしているのに、なんであいつはマスクをしていないんだ』と批判されることを恐れて、結果的に全体のマスク着用率は高い、というね。社会心理学的に見て、スパイト行動というのは、とにかく平等を求める気持ちなんですよね。とにかく平等にっていう思いや、競争心が強くなりすぎると、みんなが貧しくなる、ゲーム理論では“共貧状態”って呼ぶんですけど、こうした状況が起こってくる」